繋いでいくもの


かりんです。
ようやく乾いてきました。
雨の日は工房で乾かして、いい香りに包まれてちょっと幸せな気分。

毎年かりんの採れる頃には薄めにスライスして、天日干しで乾燥させてから保存しています。
これを煎じたものにはちみつを溶かして飲むと不思議と咳がおさまるのです。

実家の母から教わった昔からの民間療法。
今の家にお嫁に来た時に、かりんの木があるのを見てとても嬉しかった。
実家では作るのを見ていただけだけど、今ではなんとなく自分で作っています。

現代はネットで調べれば、レシピだってなんだって簡単にわかる。
いつもお世話になってるし、とっても便利でスゴイなと思う。
でもなんだかすぐに忘れてしまう気がします。

子供のころに体験したことや習慣は、その時に私を囲んでくれていた人達との思い出だけでなく
光や音、空気までもが一緒になって自分の中に感覚として刷り込まれている。
クマザサの新芽を山ほど摘んできてチマキを蒸したり、縁側で梅干しのシソをつまんだり、、
干した豆のなかで遊んだり。。。
とても大切な記憶。今の自分に繋がっている。

伝えていくってこういうことなんだなと改めて思った。

数ヶ月前に新聞で読んだ記事を思いだした。
福島から避難してきた妊婦さんが言っていた言葉。
「産まれてくる子に伝えたいとずっと思っていた事。田んぼのアゼを歩く気持ち良さ、日本一だと思うおじいちゃんのお米の美味しさを伝えてあげることが出来ないことが残念でならない。」

ホントに切ない。

私も母として何か繋いでいけますように。