夏山、夏休み、子どもの頃

奥深い山奥の過疎の村。

冬は雪深い為、こちらの町に下りてきている母方の祖母が住む村。

祖父が亡くなってからは1人で帰るのを嫌がり夏も町にいましたが、久しぶりに夏山に帰るというので、私達もお盆の帰省中に遊びに行ってきました。



村中の主を亡くした家々は朽ちて、田や畑だった所は草が茂っていました。

良く川遊びしていた所に子供と2人行ってみたけど、誰も降りないから道も無くなり、沢で蟹を探そうと車を停めたらスズメ蜂が飛んできて、驚き、すぐ撤収。

人が入らない山はもう入れない自然に戻っていく。


そのすぐ脇には新しく出来た大きな国道。
村中の道も沢もコンクリートアスファルトになっていた。

目の前は川のせせらぎだったのに。

ほんの数年のうちに、大きく変わってしまった。

消えていく村とコンクリート

何とも言えない寂しさと悲しさ。

でも子供は楽しかったみたいで、救われます。

今年で閉めてしまう山のお家。

山に訪れる遅い春の息吹きの中、感じた空気や木々の匂いや心を忘れない。
夏休みに長く過ごした頃は、眠りにつくまで川の音や蛙の声がうるさいくらいに聞こえて。
村中を流れる清水。そこらにいる沢蟹。川遊び。祭りの囃子の音。
村に伝わる伝説。まじない。平家由縁の話し。

私の柔らかい心の時期に沢山たくさん素晴らしい物を与えてくれて、本当にありがとう。

想ってみても、考えてみても、やっぱり私は無力で。

だから、沢山の感謝をするしかないけど。

私が貰った大切な事はちゃんと子供に伝えていくからね。

もう一度、家を壊す前に行こうと思う。